歯に衣つけぬ発言の数々で人気の映画監督・井筒和幸が、その威信にかけて演出した笑いと涙のエンタテインメント快作。収監を数日後に控えた組長・羽原(西田敏行)は、やり残した2つの事があった。ひとつは生き別れてしまった娘かおり(常盤貴子)に再会すること。もうひとつは大好きなジェームズ・ブラウンの名古屋コンサートに行くことであった。かくして弟分の金山(岸部一徳)は若い衆に命令する。「今すぐJBをさらってこい!」。
前半さまざまなエピソードがガチャガチャと同時進行していくあたり、めまぐるしいほど元気印の井筒節全開だが、それらがクライマックスですべて一気にまとまり、ついにはホロリとさせてくれる心地よさといったらない。『のど自慢』『ビッグショー!~ハワイに唄えば~』に続く井筒大衆歌謡映画路線として捉えてみても、日本人のアメリカに対する愛憎がJBの歌を用いて見事に描出されており、『ゲロッパ!』を熱唱する西田敏行の姿は、いつしか観客の心を潤い豊かなものにしてくれるのだ。(的田也寸志)
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